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カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2016年2月20日 (土)

だいぶ前に読了した作品を紹介しておきます。P.ルメートル

キングの作品どころか、関連する作品でもありませんが。
初めてフランスミステリーを読みました。

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きっかけはツイッター上での過剰な反応。
最初に知り読了したのがそのときに紹介されていた『その女アレックス』。
作者はピエール・ルメートル。
以前「王様のブランチ」でも紹介されていましたが遅咲きの(年配の作家)です。

で。
『その女アレックス』の紹介文を書こうかと思い一瞬考えましたが・・・
ストーリーに触れることを書くと楽しさ半減なので多くは書けません。
ま、こんな↓情報だけは載せときましょう。

* 週刊文春ミステリーベスト10というランキングが毎年発表されるのですが、2014年の第1位を獲得したのが本書。
* ちなみに2015年の第1位もルメートルの作品(悲しみのイレーヌ)。未読。
* オビの文句は「驚愕、逆転、慟哭、そして感動-」
* あえて、103の感想を一言。「最初っからワケわからない!」

もちろん、ネット上では否定的な評価も見られるが下馬評が良いと反発があるもの。
「今まで読んだ小説の中で最高峰」とは言わないが、(フランスの作家が書いたものだからか)今まで読んだ小説とはテーストが異なるのは確か。

その後。
写真にあるように『死のドレスを花婿に』を読んだのだが、個人的にはこちらのほうが好み。
同様に最初っからワケ分からない感はあるのだが、「スカっと」するぶんこっちの方が良いと感じたのかな。

ちなみにこの作品のオビの文句を抜粋しておきましょう。

かつては幸福だった女ソフィー。殺人犯として絶望的な逃亡生活を送る彼女は、いかにしてどん底まで転落したのか、狂気の影におびえるソフィーに降りかかる不幸、不幸、不幸・・・・・職も結婚生活も彼女は失った。だが物語が進むとともに、あなたは、もっと深く、おそろしく、忌まわしいものを目にすることになる!

これは一気に読み進められるストーリーだ。

2015年2月15日 (日)

ホーンズの日本語版予告編です

ジョー・ヒルの小説「ホーンズ」に関してはこちらに感想を残しています。

ダニエル・ラドクリフの「ハリー」後の映画については賛否両論あるようですが、ホーンズに関しては原作がいい(笑)。
加えて、予告編を見る限りなかなかキタイできそうな雰囲気が漂っています。

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予告編によれば5月に公開とのことなので、今から楽しみです。
ま、その間にネット上でいろんな評価が下されるでしょうが。
ただ、副題(容疑者と告白の角)は必要なかったんでは?
邦題は物語の内容をイメージさせるようなモノを付け加えることが良くありますが、ほとんど成功していないと思うのは103だけでしょうか。

では、予告編を。

2013年6月 5日 (水)

『追い風ライダー』読了

久しぶりに自転車関連の本を読みました。

それも、いわゆるノンフィクションの「交通法規」や「自転車マナー」に関するものとは違います。

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『自転車で遠くへ行きたい』の米津一成著、追い風ライダーです。

米津氏の著書と言えば実体験に基づいた自転車生活(またはブルベなどの長距離サイクリング)を想像してしまいますが、本書はフィクションでしょうね(たぶん)。

5つの短編から成っていて、それぞれ主人公が違うんだけれども微妙にリンクしているんですね。まるで、毎話視点は違うけど無免許医が活躍しちゃうブラックジャックみたいですね。

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ただ、本作の場合、前話の主人公が前面に出てくるわけではなく、飽くまでも「脇役」。
その中で新しい演者が異なる物語を演じていくんですね。

さて、主人公に抜擢されたヒトも様々。
男女混合はもちろん(男女平等の世の中ですからね)、未亡人・元ホビーレーサー・ブルベ事務局スタッフなど・・・多岐に渡ります。

根底に流れているのは自転車に魅了されているヒトの心情かな。
例えば初めて自転車に魅せられるヒト、自転車の魅力を再発見するヒトなど。

そして視点はもちろん自転車の楽しさを良く知っている筆者だからこそ、ディテールにこだわっていて思わずニヤリとさせられる場面がたくさんありました。

んで、最後のエピソードで思わずホロリ。

涙腺が弱くなってきたオヂサンが電車の中で読むのは危険が危ないのですが、平日の夜は飲んだくれてるし、通勤中の電車の中しか読書時間がないんです。

ま、字数は多くないので遅読の103でもあっという間に読み終わってしまう一冊でした。
ハンカチを用意して通勤のお供にいかがすか?(笑)

2013年5月11日 (土)

『サイボーグ009 完結編 2012 009 conclusion GOD'S WAR』 読了

皆さんこんにちは。中年になっても相変わらずマンガ(最近は国際的にMANGAとでも言うのかな?)が好きな103です。あ、いや、でも電車の中で読むことはありませんよ。だって、読まなきゃいけない小説が溜まってるし、時々キングの小説を無性に読み返したくなるからそんな時間はありゃしません。

ココ最近の103お気に入りは「テラフォーマーズ」だったり、

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進撃の巨人」だったりしますが、どちらもエグイね こういうのキライな人は閲覧注意ね。でも、ストーリーの発想や進行方向は面白いですよ。

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それにしてもマンガへの「のめり込み度」って小学生や中学生のころと比べると全く違いますね。
なんたってひとたび一冊のマンガを入手した103少年(?)は、布団の中だろうがトイレの中だろうが擦り切れるまで読み返し、セリフだけでなくコマ割りも覚えちゃったりしたもんです。
ま、買うお金がなかったから手元にある本をひたすら読み返し次のストーリーを想像するしかなかったんですけどね。

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2011年5月 7日 (土)

『フランケンシュタイン 野望』読了。

クーンツである。この人の小説はサクサク読めることはもちろん、その着想というか、ほとんどの作品で「なんだ?このオープニングは?」と思わせるほど独創的な設定が面白い。

で、先日衝動買いしたのが「フランケンシュタイン 野望」である。

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メアリー・シェリー著のオリジナルフランケンシュタインを以前読んだが、そのストーリー、展開、などは楽しめたがやはり昔の文体なのか、やや冗長で読みにくい感があった。

ところが、まるでジェットコースターに乗っているように展開が早い書き方が得意なクーンツの手にかかれば、今風のエンターテインメントに早がわり。ページをめくる手が止まらない。

そして、相変わらず着想が面白い。今回の(と、言うほどこの作品は映像化などが多く、そのイメージにより「フランケンシュタインは怪物の名前」という誤った理解をしている人が多いらしい)フランケンシュタインの舞台はなんとオリジナルから200年経った現代。

ヴィクター・フランケンシュタインは姓を変え、己のからだ自体に改造を施し生きながらえる。かたやヴィクターの被造物である怪物(ここではデュカリオン)もまた生きながらえていた。

我々「旧人種」を駆逐し、「新人種」に換え彼の望む世界に作り変えようとするヴィクター。新人種は創造物であるヴィクターに逆らえないが、肉体的にも精神的にも圧倒的に旧人種よりも優れているはずなのに「なぜ、旧人種は幸せに見えるのか?我々は何者なのか?」という疑問を持ち始める一部の新人種。

そしてヴィクターに逆らうことは出来ないものの、彼の野望を止めることが天命だとして旧人種に協力しようとする、被造物第1号の怪物デュカリオン。

ちなみに本書はまだ続きがあり、2011年には第5部作まで刊行される予定。本書がかなり面白かったこともあり、次巻が発売されるのが今から待ち遠しい。

<本シリーズのラインナップ>

Prodigal Son (2005) 『フランケンシュタイン 野望』(本書)

City of Night (2005)

Dead and Alive (2009)

Lost Souls (2010)

The Dead Town は2011年刊行予定

2011年4月20日 (水)

<意識>とは何だろうか? 脳の来歴、知覚の錯誤 読了。

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この本は読むのに時間がかかりました。キングの作品とは全く別の意味で。

実はこの本、全くの偶然から読むことになったのですが。

というのも、103が通勤に使っている会社の最寄り駅は「湯島」。ところが、ちょいと前から「ヒト駅歩いて電車に乗ろう」運動を実行しているため、「根津」駅から電車に乗ることが多かった。

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で。改札を抜けるとまず目に入るのが『根津メトロ文庫』。恐らく駅の利用者が読み終わった本を持ち寄って駅の構内に保管しているのでしょう。そこで借りた本なので貸し出しカードもなけりゃ、貸し出し期限もありません。

カバー折込部分に書いてあった紹介文(?)は以下の通りです。

「心」とは意識のことか。意識プラス無意識か。では意識とは何なのか。「錯誤」を手がかりに、脳・認知科学の最前線から、「心の全体像」へ迫る快著。

目次を見てみると大体本書の内容がつかめるだろうか?

はじめに-脳と心の全体像

第1章  錯誤とは何か

第2章  脳の「来歴」-錯誤から浮き彫りにされるもの

第3章  心とからだの他者-連動する脳と世界

第4章  意識と無意識のありか-心の全体像

第5章  人間観と倫理

なんとなくとっつきにくい内容のように感じられますが、実際に読んでみると分かりやすく順序だててあるのがわかります。

103が共感できたのは以下の点。

① 「錯誤」は感覚器官だけでなく「脳」とその来歴が影響していること

② 「脳」と「身体」と「環境」は関係しあって、個体の「感覚」が形作られていくこと

そして、最終的には生物は遺伝的特質に左右されるのか。それとも、脳に?環境に?という問いに対して著者(下條伸輔)が導き出した答えが面白い。まるで、哲学とブッダの教えとSFがごちゃ混ぜになったようだ。

本書を読みたいヒトは根津までどうぞ(笑)。

2010年11月24日 (水)

『フランケンシュタイン』読了。

フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))

Book フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))

著者:メアリ・シェリー
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

古典である。
今まで古典と呼ばれる小説で読んだことがあるのは、教科書に載っている作品かSFの古い作品くらいである。
そもそも読むのが遅いので(集中力がないとも言う)、大好きな作家の作品を読むばかりで、古典を読む時間がない。

ではなぜこの作品を読むことにしたのか。仕事で移動する時に本を忘れたときに衝動買い。
ま、ジャンルも広い意味でのホラーに分類されそうなので、普段からの嗜好にもあっているというもの。

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2010年7月14日 (水)

『ヒー・イズ・レジェンド』読了。

ヒー・イズ・レジェンド (小学館文庫) Book ヒー・イズ・レジェンド (小学館文庫)

著者:ジョー・ヒル,スティーヴン・キング,F・ポール・ウィルソン
販売元:小学館
Amazon.co.jpで詳細を確認する

裏表紙の作品紹介を記しておこう。

リチャード・マシスンの凄さをわかってほしい-スティーヴン・キングやディーン・クーンツが畏敬する巨匠と言えば、わかるだろうか。それとも、スピルバーグのデビュー作「激突!」、「アイ・アム・レジェンド」「ヘルハウス」「ある日どこかで」等の名作映画の原作や脚本を書いたといえば、驚いてもらえるだろうか。

本書は、そのマシスンの作品にインスパイアされ、人気作家が競作したトリビュート本である。スティーヴン・キング&ジョー・ヒルの父子が「激突!」を親子版で描く。そのほか、「アイ・アム・レジェンド」の前日譚や、地獄の家(ヘル・ハウス)の序章等々、驚異の力作ぞろいだ。

たいていこのテの短編集は「編者」がいて、「こんな作品集にしよう!」というコンセプトのもといろんな作家に声をかけていくのだが(と思うが)、この作品はもしかすると各作家が『オレにも書かせろ!』と競って書いているような雰囲気である。

実はリチャード・マシスンの作品は(たぶん)読んだことがないのだが、まるで原作に勝るとも劣らないような(と、瀬名秀明の解説に書いてある 苦笑)良質の作品が揃っている。

これを読めばマシスン原作を読みたくなるのはもちろん、今話題のマシスン原作の『運命のボタン』などの映画も見たくなります。

ちなみに、一番気に入った作品はナンシー・A・コリンズの『地獄の家(ヘル・ハウス)にもう一度』。まるで「シャイニング」と「ローズ・レッド」を思い出しましたが、屋敷の邪悪さはかなりのものとお見受けしました(笑)。

うん、やっぱり原作、読んでみよう。

2010年7月 2日 (金)

『ユダヤ人とドイツ』読了。

ユダヤ人とドイツ (講談社現代新書) Book ユダヤ人とドイツ (講談社現代新書)

著者:大澤 武男
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

筆者はプロローグで次のように語っている。
『~よりにもよって「人類史上最大の犯罪」といわれるユダヤ人の大量虐殺が、ドイツ人の名において行われたかということである。これはまさに「ドイツの悲劇」としかいいようがない。
はたしてこの悲劇は、ヒトラーという狂気の人物とその一味がいたために引き起こされた歴史的偶然として片付けられるものであろうか。』

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2010年4月 3日 (土)

『ガラスの地球を救え』読了。

ふと書店で手に取った本。著者が手塚治虫。

ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ (知恵の森文庫) Book ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ (知恵の森文庫)

著者:手塚 治虫
販売元:光文社
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要約すれば、『地球は危機的な状況に陥っている。人類の手によって汚染された地球を救えるのはやはり人類』という内容。

エコライフが叫ばれている今どきは珍しくもないが、もともと著者がライフワークとしていた『火の鳥』をはじめ、生命とはなにかという壮大なテーマを氏が手掛けてきたことは良く知られている。加えて凄いと感じるのは、このエッセイが『テレビ、雑誌などでの発言に昭和60年前後のシンポジウム等』の内容を収録し、1989年に初版が発刊されたこと。Gtezuka01

つまり、今どきの付け焼き刃っぽいエコブームとは無縁で、手塚少年の幼少の思い出にも自然を愛でるために必要な経験をしていること、つまり昔から彼が感じている人生観自体を『地球を救え』というテーマで著しているのがすごい。

重いテーマとは裏腹に本書の内容は分かりやすい表現で、中には子供の残酷さ(しかしそこを通り抜けることにより命の大切さを学ぶ)、戦争を美化するような話に対して警鐘をならす等、氏が常に感じていたヒトの在り方を著している。

残念ながら手塚治虫はなくなってしまいましたが(もう20年以上前!)、今でも彼の意志は本書のように再版を重ねるほど強く明確なメッセージを発信しているのだと思います。

本書の最後のほうに『独断と偏見に満ちた未来予測』がありますが、恐らく前世紀、20数年前に書かれたのだと思いますが、彼の予測は非常に的を得ていると感じました。
そこから発展し、ゆくゆくは宇宙に飛び出した人類が、外から地球を見てかけがえのない星を汚している地上の人々に警告を発するだろうという手塚治虫らしい結論で本書を終わらせています。

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