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2018年8月17日 (金)

『トム・ゴードンに恋した少女』

 

報じられるたびに思い出したのがキングの小説。
『トム・ゴードンに恋した少女』
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本書カバーのあらすじにはこうある。
世界には歯があり、油断していると噛みつかれる-。
ボストンレッドソックスのリリーフ・ピッチャー、トム・ゴードンに憧れる、少女トリシアは、9歳でそのことを学んだ。
両親は離婚したばかりで、母と兄の3人暮らしだけれど、いがみ合ってばかりいる二人には、正直いって、うんざり。
ある6月の朝、アパラチア自然遊歩道へと家族でピクニックに連れ出されるが、母と兄の毎度毎度の口論に辟易としていたトリシアは、尿意をもよおしてコースをはずれ、みんなとはぐれてしまう。
広大な原野のなかに一人とりのこされた彼女を、藪蚊の猛攻、乏しくなる食料、夜の冷気、下痢、発熱といった災難が襲う。
憧れのトム・ゴードンとの空想での会話だけを心の支えにして、知恵と気力をふりしぼって、原野からの脱出を試みようとするが・・・・・。
9日間にわたる少女の決死の冒険を圧倒的なリアリティで描き、家族のあり方まで問う、少女サバイバル小説の名編!
キングの小説特有の「登場人物の背景を語らせるだけで150ページ消費する」技はもちろん健在だが、それを差し引いても本書の主題は『迷子が自然の中で生き延びる』ということ。まさに今回の事件(事故)にぴったりではないか。
もちろん、9歳と2歳の子供が考えることには大きな隔たりがある。食料や健康のことまで気が回るのは9歳の子供。かたや2歳の子供は(言葉にしなくても)風で木々が揺れるときの音や夜の星空・暗さそれ自体などからどんどん想像が膨らんでそれに耐えなくてはいけないのではないだろうか。
どちらもサバイバルに勝利し生還するのだが、本書を読めば報道されない2歳児の恐怖心をほんの僅かばかりでも想像することが出来るのではないか。
現在本書は新潮文庫で文庫化されているので手軽に読める。
興味のある方は手に取ってみては。

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