『ダークタワー Ⅳ-1/2 鍵穴を吹き抜ける風』読了
長大なダークタワーストーリーのうち、旅の仲間がそろった序盤にあたる本作。
あとから発表された作品のため、本来連番であったはずの作品番号(?)が『Ⅳ-1/2』となっています。
苦肉の策ですね。
でも、内容は別にスピンオフ的なものではなく、むしろローランドの若いころの様子を良く知るための佳作です。
仲間を得たローランド、周囲にはあまり自分の過去を語ることはなく邪推を招き若干ではあるにせよ心の壁を作っていた。
そんな時スターク・ブラスト(大嵐)の襲来で堅牢な建物に籠城することを余儀なくされる。
そこで語られたローランドの過去。それに付随するギリアドに伝わる昔話。
というわけで、現在のローランド一行→若かりし頃のローランドが惨殺事件を解決するシークエンス→昔話「鍵穴を吹き抜ける風」 という3段階の入れ子状態になっているのが本書です。
ローランドの若いころの心情を知ることが出来るだけでなく、若造にもかかわらず狡猾で強いガンスリンガーを垣間見れることが出来ること、そしてなんといってもローランドの母に対する思いを慮ると切ない気持ちになるのです。
最後のセリフがもう、たまんないです。『わたしは、許します』
さて、ダークタワーシリーズは途中まで単行本で刊行されましたがキングがすっかり書くことを停滞させたため一時中断。
その後キングが生死をさまよう事故にあい、それを機に一気に書き上げた本編。
日本では当時新潮文庫から刊行された本シリーズをイチから買いなおしました。
ところが、本書は本シリーズより遅れての刊行、さらに日本語訳も本国から遅れることおよそ5年。
映画化のタイミングもあり改めて再刊行されたのが角川文庫だったため、ウチの本棚は背表紙の色が違う『チグハグシリーズ』になってしまったのでした。
こういうキングファン、多いんだろな。
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