『IT/イット”それ”が見えたら、終わり。』を見てきました。
スティーブン・キング原作のITを劇場で見てきました。
オフィシャルページにいろいろ記載されていますし、予告編もあるので興味のある方はそちらをどうぞ。
単なるキングのイチファンとして見てきた感想を勝手な解釈とともに記録しておきます。
原作は1991年刊行のものを少なくとも3回読んでいます。
そのたびに新しい発見(というか、読んだのに忘れているシークェンスとか後年発表された他作品とのリンクを見つけたり)があり楽しんでいます。
実は映画を見てまた原作を読み直してみようかなと思っている今日この頃です(しかし、老眼で長時間の読書は辛くなっているのも事実です)。
拙ブログを始めてから2回本作に関する投稿をしています。
① 2006年に再読を初めて間もないころ。
このときは暗黒の塔シリーズでITのキャラに酷似するアレが出てきたため、思わず読み始めてしまったのでした。
この中で原作ではジョージが折り紙船にワックスを塗るため地下室へ降りたところで亀の絵を見つめるというシーンがありますが、映画では別の場面で別の形態で「亀」(つまりダークタワーを安定させるためのビームを12の守護神が守っているのですが、そのうちのひとつね)が登場します。
ヒントはレゴ。
② 2007年の読了したころ。
読了までに10か月も経っているというツッコミは置いといて。
今回の映画でも同じことが言えますが、個人的には本作品、ホラーとは無縁だと思っています。
人間の他者に対する差別や偏見、無知による迫害(時には虐待による死も含む)などが恐ろしいものでその恐ろしさを「ホラー」と呼ぶのであれば立派なホラー映画になるのでしょうが)。その辺りの描き方は2時間前後の映像で表現するのは難しいと思います)
で。
今回の映画で最もココロに残ったのは・・・
【子供たちの美しい純粋さとそれを演じきった各俳優の魅力的なキャラクター】
です。
特にベヴァリーを演じたソフィア・リリスは素晴らしい。
はみだしクラブのリーダーではないが彼女の行動がみんなを突き動かすところや、守るべき存在としてのか弱い部分と(家庭ではだれも彼女を守ってくれないのだから)のギャップ。
映画では決して描かれない(だろう)原作の〇〇の描写を思わず思い出させてくれるほどの良い描かれ方だったと思います。
また、監督であるアンディ・ムスキエティは原作をかなり読み込んでいると思われます。
前述の亀のシークェンスだけでなく、シルバー号(ビルの自転車)にあえて「Silver」と書かれている自転車を使ったり、昔起きたデリーの大火に関する情報を小出しにしたり・・・
ただ、一つだけ残念だったのは「カレハコブシデグイグイトハシラヲオシテユウレイガミエルトシツコクイイハル!」というセリフの由来を語っていなかったこと(と、記憶しています)。
何回かセリフの中には出てきましたがビルとの関係やITに対峙する時のセリフとして原作を知らないとこのセリフの意味が分からないのではないだろうか。
欲を言えば原作の日本語訳(小尾芙佐 訳)と同じセリフ回しにしてほしかったな。
【103なりの結論】
本作は上質なホラー映画であるとともに、青春映画としていまだに高評価の『スタンド・バイ・ミー』を上回る感動を与えてくれる青春映画である、と断言しよう!
とりあえず本作は「Chapter 1」であるから、次回作は全く違うテイストになると思うけど、根底に流れているのは人間が恐怖に打ち勝つ術を獲得するためには真正面から対峙しなければならないというトコロだと思います。
これを機会に原作や過去に製作された映画を改めて鑑賞しても面白いかも。
≪書籍 IT≫
≪映画 IT ≫
昔の映画 IT (amazonではブルーレイしかないようです・・・ウチでは見れない)
≪ついでにスタンドバイミー≫
これが翻訳書籍 スタンド・バイ・ミー
映画のスタンド・バイ・ミー これもブルーレイだけ。
≪そしてキングの大部分作品とリンクしている暗黒の塔シリーズ≫
ダークタワー 第1巻 とりあえず1巻だけど、ストーリーが進むほど「IT」とのリンクが出てきます。終盤ではアレも(これは秘密です)。
2巻以降は自分で探してね。
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最後の最後に付け加えておきたいのですが。
平日の夕方鑑賞した際、もちろん客の数は多くないのですが、我々以外学校帰りの高校生(特に女子)が多かったこと。
女の子だけでホラーを見に来るんだな~というだけでなく、ただのアクション映画ではなく本作で登場人物の性格や背景を深読みしてくれる人がいたら嬉しいな。
原作読むともっと細かく描かれていて感情移入しやすいよ。
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