ジョイランド読了 & ミスターメルセデス・・・
【ジョイランド】
裏表紙にある説明によると・・・
海辺の遊園地、ジョイランド。
彼女に振られたあの夏、大学生の僕はそこでバイトをしていた。
(中略)・・・遊園地で殺人を繰り返す殺人鬼がいることを知る。
もう戻されない青春時代の痛みと美しさを描くキングの筆が冴え渡る!
感涙必至の青春ミステリー。
とある。
読み始める前はキングの初期の作品、例えば呪われた町やダークハーフなどのようにスーパーナチュラルでかつコワイ、という作風を期待していましたが見事に裏切られました。
殺人鬼の人物描写がいまひとつ。
事件が起きたのはジョイランドという遊園地の中のいわゆる幽霊屋敷である。
そしてそこにのこる怨念のようなものを感じ取り(登場人物のなかの一部の人間が)、そこから殺人鬼の犯人像を絞り込んでいくのだが、怨念の描き方が中途半端。
犯人捜しの過程はなるほど、小出しにしていき「なるほど~」となり納得できるのだが、いかんせんわずか350ページ前後の長さで語彙の多いキング作品を「書ききれていない」感があり、全体的に消化不良のイメージを払拭できませんでした。
若い主人公の失恋と新しい恋という視点でも中途半端感があるものの、アニー・ロスのキャラクターは好感が持てました。
ま、自分の記憶力の低下とともに登場人物の名前が覚えられなくなってきており、「登場人物の説明」ページにしおりを挟みながら何度も確認しながら読んだことは秘密です♪
追伸:作中、単元の変わる部分にあるハートマークが好印象でした。
【ミスターメルセデス】
そして8月22日刊行の新作、ミスター・メルセデスです。
エドガー賞受賞したということで、翻訳前から話題になっていた作品ですね。
このエントリーを入力している時点では「暴走車で多数の人命を奪って・・・」というところしか読んでいませんが、序盤でストーリーからフェードアウトする登場人物の背景さえも書き込むキング節が炸裂です。
文芸春秋から発売された単行本で今回も藤田氏の装画で、本のつくりもしっかりしています。
特に表紙カバーをめくって出てくる絵は、基本的にカバーと同じ構図ですが配色がダークになっているところなど、物語の重さを象徴しているようでもあります。
オーピニングの雰囲気そのままだ♪
寝苦しい夜を重たいハナシを読んでもっと寝苦しくしましょう(笑)!
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