第九を聞いてきました いん 幸手
日本では年末になるとネコも杓子も「第九」を聞きに行くわけですが、ボクもご他聞にもれずそんなミーハーな日本人だったりするわけです。
ただ、年末ですと忘年会があったり、急な仕事が舞い込んだり、せっかく楽しみにしていた第九にいけなくなることがあったりします。
ましてや今年は名古屋勤務になり二重生活を送っているわけですから、さらにスケジューリングが難しくなっていたりします。
で。
仕事の都合で19日から帰省することになり、急遽その後の週末に良いコンサートがないか調べていたところ、お誂えのものがあるじゃないですか。
電話でチケットの購入方法を聞こうとしたら、「直接買いに来てください」。え~、名古屋から行くからちょっと当日までムリですぅ~、と言うと、チケットを取り置きしていただけるとのこと。まずは会場であるアスカル幸手の職員の方の対応に満足。
当日は、そのままクルマで行くのももったいないので、関宿城にクルマをデポ。そこからカミさんと一緒に強風の中会場へ向けて走り始めます。
到着するともの凄い数のヒト。
およそ1,1200人収容の会場がほぼ満員になり、立ち見のヒトもいたほどです。
会場入りしたのが遅かったのでなかなか空席が見つけられず、最前列だけど一番端っこという良いんだか悪いんだか分からないような席に陣取ります。
今回の公演で事前に知らなかったことがいくつかあります。
1.第九 それ自体は第四楽章のみの演奏。これは最近「合唱」の部分だけ聞かせるためによくあるパターンですね。
2.前座というかオープニングや第1部で小学生、高校生(中学生含む)による吹奏楽が演奏される。これは可愛らしかったですね。
3.「ガラ・コンサート」と銘打っており、ソリストの方々がピアノ伴奏のみによる歌声を披露してくれること。
4.そして、一番ショック(?)だったのが第九の演奏は吹奏楽でやる!ということ。個人的にはこの曲にはヴァイオリンが必須では?と思っていました。
では、演奏会開始です。
まずは、オープニングとして幸手小学校のブラスバンドクラブによる演奏。耳なじみの良い嵐の曲や宇宙戦艦ヤマトなど(これは小学生に認知度低いのでは??)。最初の演奏で緊張もしていただろうに、がんばってよい演奏でした。
エライおぢさんのお話があり、第1部開始。
伊奈学園総合高等学校の吹奏楽部による演奏。こちらは高校生ですから安定感のアル演奏。というか、めちゃくちゃうまい。聞けば全国大会にも出場するレベルだそうです。なるほど、だからこれだけ観客が集まるんですね。
コンクール以外にもいろいろ場数を踏んでいるようで、指揮の先生のMCもかなり馴れている感じで安心して聞くことが出来ました。
途中で「ゲストコンダクターコーナー」というものがありまして、小学生の女の子2人が「楽団を指揮する」余興(?)が楽しかったです。
しかしね。
ここで手を上げて指揮者体験をしたのは2人とも女の子。吹奏楽部のメンバーもおよそ9割以上が女の子。市民合唱団の男女比もおよそ4:6となっています(当社比)。
いったい、世のオトコは何をしとるんだ。もっと積極的にいろんなことを経験して欲しいな~。
その後、市内2校の中学校の吹奏楽部との合同演奏があったり、微笑ましいステージでした。
休憩を挟んで第2部に突入します。
幕が開くと市民合唱団による凱旋行進曲。これも耳なじみのある曲ですね。その後ソリストによるオペラ曲の有名どころの演奏がありましたが、しょっぱなのハバネラからものすごいド迫力で写真を撮るのも忘れていました。
西川裕子(メゾソプラノ)による歌劇「カルメン」より ハバネラ「恋は野の鳥」
増田のり子(ソプラノ)による喜歌劇「こうもり」より チャルダーシュ「ふるさとの調べは」
小川裕二(バリトン)による歌劇「アンドレア・シェニア」より 「祖国を裏切る者」
井ノ上了史(テノール)による歌劇「トゥーランドット」より 「誰も寝てはならぬ」
どれも素晴らしく、トリハダモノでしたよ、えぇ。途中まで我を忘れていましたが、覚醒したところから写真を撮っていましたので載せておきますね。
小川さんです。
こちらは井ノ上さん。皆さん歌う技術も素晴らしいですが表情も豊かで歌の世界に引き込まれます。
第2部でピアノを努めた小川沙織さんも様々なタイプの曲を弾き分けていましたね~。
で。
いよいよ心配していた第3部の開演です。
当然楽団と合唱団とソリストの4人がステージ上に並びますので、もの凄い人口密度です。
で、その感想ですが。
最初、楽団の音が出始めたときにはさすがの実力を持つ彼らでもちょっと荷が重すぎたんじゃ??と思いました。特に低音楽器のみで演奏されるパートでは、ただでさえ音が通りにくい低音楽器にもかかわらず、コントラバスは1人だけで音の重厚感がイマイチに感じました。
オーケストラの幾重にも重なった弦楽器によるそれとは比べるもの酷というものですが。
しかし、それを補ったのが複数合唱団からの多国籍軍(笑)。
音の厚みが一気に増します。
それに加えてソリストたちによる大迫力の歌声。
第九の「生きるもの全てに歓びを」というコンセプトに合致する分厚く感動的なサウンドでした。
いやはや、これなら吹奏楽による第九もありですね。目からウロコが落ちた演奏会でした。
あ、最後にチケットを取り置きしてくれた封筒に書かれてありました。
こういう手作り感がうれしいですね。
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コメント
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103さん、こんばんは!
私もミーハーで暮れには第九、元旦にはウインナーワルツが聴きたくなります。
でもこの十年間、フルオケのコンサートとはご無沙汰です。
元旦のニューイヤーコンサートを、TVは画像だけにして音声はオーディオで聴くのが20年来の我が家の慣わしになりました。
でも本当は一度元旦にウイーンで生を聴きたいですね。
どれだけ素晴らしいことでしょう。
10さん、ところで2014の初日ポタはどうなりますか?
楽しみにしていますので、情報提供お願いします。
投稿: エンツォR | 2013年12月23日 (月) 23時01分
エンツォRさん、コメントありがとうございます。
TVは画像だけで音声をオーディオで・・・
良いオーディオセットを持っていればそれもアリかもしれませんね・・・
しかし!
やっぱりナマ。
紙で空気を震わせるのとは違い、その場で音圧を感じるのはナマならではです。
良ければ以下のサイトで安価または無料のコンサートを見つけて行かれてみてはいかがでしょうか?
首都圏のみならず新潟の情報も載っていますよ。
http://home.s07.itscom.net/matsui/wmc/topics/info.html
初日の出ポタ、近々アップします。
投稿: 103 | 2013年12月24日 (火) 06時51分