『フランケンシュタイン 野望』読了。
クーンツである。この人の小説はサクサク読めることはもちろん、その着想というか、ほとんどの作品で「なんだ?このオープニングは?」と思わせるほど独創的な設定が面白い。
で、先日衝動買いしたのが「フランケンシュタイン 野望」である。
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メアリー・シェリー著のオリジナルフランケンシュタインを以前読んだが、そのストーリー、展開、などは楽しめたがやはり昔の文体なのか、やや冗長で読みにくい感があった。
ところが、まるでジェットコースターに乗っているように展開が早い書き方が得意なクーンツの手にかかれば、今風のエンターテインメントに早がわり。ページをめくる手が止まらない。
そして、相変わらず着想が面白い。今回の(と、言うほどこの作品は映像化などが多く、そのイメージにより「フランケンシュタインは怪物の名前」という誤った理解をしている人が多いらしい)フランケンシュタインの舞台はなんとオリジナルから200年経った現代。
ヴィクター・フランケンシュタインは姓を変え、己のからだ自体に改造を施し生きながらえる。かたやヴィクターの被造物である怪物(ここではデュカリオン)もまた生きながらえていた。
我々「旧人種」を駆逐し、「新人種」に換え彼の望む世界に作り変えようとするヴィクター。新人種は創造物であるヴィクターに逆らえないが、肉体的にも精神的にも圧倒的に旧人種よりも優れているはずなのに「なぜ、旧人種は幸せに見えるのか?我々は何者なのか?」という疑問を持ち始める一部の新人種。
そしてヴィクターに逆らうことは出来ないものの、彼の野望を止めることが天命だとして旧人種に協力しようとする、被造物第1号の怪物デュカリオン。
ちなみに本書はまだ続きがあり、2011年には第5部作まで刊行される予定。本書がかなり面白かったこともあり、次巻が発売されるのが今から待ち遠しい。
<本シリーズのラインナップ>
Prodigal Son (2005) 『フランケンシュタイン 野望』(本書)
City of Night (2005)
Dead and Alive (2009)
Lost Souls (2010)
The Dead Town は2011年刊行予定
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