シューマンとショパンを聞いてきました。
11月8日、あるイベントに足を運んできました。上野の山文化ゾーンフェスティバルでは様々なイベントを催しています。美術館や博物館の特別展示や講演会などアカデミックな催しが目白押し。そのうちのひとつが今回楽しんできた『レクチャー&コンサート シューマンとショパン』です。
会場は上野学園 石橋メモリアルホール。『レクチャー&コンサート』というように、ただの演奏会とは違いシューマンの生い立ちや作曲時の背景などを交えてプログラムは進んでいきます。そして演奏、講演を一手に引き受けるのが上野学園大学の教授、田部京子さんです。
石橋メモリアルホールのステージにはグランドピアノとマイクが設置してあるだけで、プログラムは8つのピアノ曲とそれにまつわるお話しで構成されていました。
今年はショパン生誕200周年であることは知っていましたがシューマンも同い年だったんですね。初めて知りました。
どちらもロマン派の作曲家ですが、田部教授、もしかしてシューマンのほうに強い思い入れがあるのでしょうか。もちろんショパンの作品はピアノ練習曲としても有名ですし、素晴らしい作曲家であることはもちろんですが、シューマンの人間くさい作品に魅力されているのでしょうか。
プログラムは以下の順に進んでいきます。
1. 幼少のころより音楽だけでなく、読書も好きだったシューマンが頭の中で創造した2人の人物 (自分の分身として考えていた?) 『オイゼビウス』と『フロレスタン』の名が冠された曲を素人にも分かりやすく解説、演奏してくれます。
2. ピアノ曲の創作に一層のめり込んだころの作品、幻想小曲集から『飛翔』、ピアノソナタ第1番から『アリア』
3. 大人の目から見た子供時代への思いが深く感じられる超有名曲、子供の情景から『トロイメライ』。ちなみに、彼が愛し続け、後に結婚した女性クララはドイツ語で『ド・ラ・ラ』の音階になります。この曲で一番盛り上がる部分にその音階を用い、曲の一番のクライマックスにするだけでなくクララへの思いも表現するところなど、解説しながら演奏するなど、まるで講義を受けているような気分になりました。なかなかこういう機会はありません。
4. そしてシューマンから見た天才ショパン像を表現した謝肉祭から、ズバリ『ショパン』。それに続き演奏されたのが本家(?)ショパンのノクターンから『遺作』。両者の違いがよく分かります。
5. 練習曲が多いショパンはピアノ教師としても優れていたようですが、こちらも超有名曲『別れの曲』。生徒に対してショパンは1日3時間以上練習するなと説いていたようです。また、音楽だけでなく他の芸術にも目を向けろと言っていたようです。やはり広く見聞して自分自身を磨くことは大切ですね。
6. 天才的なショパンも作曲するときは何度も何度も推敲を重ねていたそうです。あの自由奔放な雰囲気はまるで即興的に作られたかのようですが、やはり天才といえども産みの苦しみはあったようです。そんな苦悩をも表現した曲、ソナタ第2番から『葬送 第1楽章』が演奏されました。
わずか1時間のイベントだったので、あっという間に終わってしまいましたが、一緒に行った同僚も喜んでくれました。コンサートですばらしい音楽を聴いたあとのビールはうまかった!
それにしてもあの才能と美貌を兼ね備えた田部京子教授、恐るべし!
んでもって、こんな素晴らしいイベントを企画された上野学園大学とその下地を提供した上野の山文化ゾーン連絡協議会に感謝します。
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コメント
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103さん、こんばんは。
こういう催しを見付けて観賞される103さんに◎です。行ってみたいけど1回きりなんでしょうね。
私事で恐縮ですが、写真を拝見して、4年前、次女が中学生のリコーダーコンクールで音楽部のメンバーとこのステージで演奏したことを思い出しました。
投稿: bunaibu | 2010年11月11日 (木) 20時57分
bunaibuさん、コメントありがとうございます。
金曜日の朝、PCでチェックしていたにも関わらずコメント返しが遅くてすみません。朝5時に家を出て出張してきたもので。さきほど帰宅しました。
さて、「観賞」すること自体、もちろんスキなんですが、もっとスキなのはただ、もしくは格安で楽しむことです。
アマチュアや学生さんなどの演奏会は気軽に聞けるし知っている曲を演奏することも多いので、楽しいですよ。一緒に行った同僚もすっかりこのお得感が気に入ってしまったようです。
投稿: 103 | 2010年11月13日 (土) 18時38分