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2010年7月 2日 (金)

『ユダヤ人とドイツ』読了。

ユダヤ人とドイツ (講談社現代新書) Book ユダヤ人とドイツ (講談社現代新書)

著者:大澤 武男
販売元:講談社
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筆者はプロローグで次のように語っている。
『~よりにもよって「人類史上最大の犯罪」といわれるユダヤ人の大量虐殺が、ドイツ人の名において行われたかということである。これはまさに「ドイツの悲劇」としかいいようがない。
はたしてこの悲劇は、ヒトラーという狂気の人物とその一味がいたために引き起こされた歴史的偶然として片付けられるものであろうか。』

今まで、手塚治虫の『アドルフに告ぐ!』を読んでナチの人間がどのようにおかしくなっていくのかを知り、映画『シンドラーのリスト』で同じドイツ人でもユダヤ人に(同じ人間として)協力し逃亡を助けたものがいることも知っている(たしかこの映画は事実に基づいたストーリーだったと記憶している)。

実際にドイツのブーヘンヴァルドでは強制収容所を見学し、その後半日は重い気分になった。

かように、歴史に特別強い興味があるわけでもない自分にしては、ユダヤ人の悲劇については少しは知っているつもりだった。


とんでもない思い違いだった。

本書冒頭に『ユダヤ人とは誰か』とある。そもそもそこからして正確な知識を自分は持ち合わせていなかった。

さらにヨーロッパ全土では紀元前からユダヤ人の放浪の旅は始まっていることを改めて認識した。

宗教的な意味合いに始まりユダヤ人に対する偏見・差別・憎悪・嫉妬・敵対心が芽生えたのは無理からぬことかもしれないが、そこにドイツ人の計画性や徹底性、さらにヒトラーの偏執的な狂気が重なって、人類史上最大の悲劇が起きたとしかいいようがない。

もちろん日本では原爆投下の悲劇があるが、これとともに忘れてはならないのがホロコーストの悲劇だと痛感させてくれる書である。20080617_527013

さすがにこの話題はドイツ人の友人と話すにはあまりにも重いテーマのようだ。

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コメント

10さん、おはようございます。
出張でアメリカ(ワシントンDCの近くの、アレキサンドリア)に行った時、「何処か生きたい所があるか?」と聞かれたので、「ホロコースト記念博物館」に連れて行ってもらいました。
どんなに知識が増えても、そこで起こっていた事実を明確に掴むことはできないけど、おろかな歴史を繰り返さないよう、社会の均衡を保つ必要がありますね。
http://www.ushmm.org/museum/

KAKAPOさん、どうもです。

本書は最終的に、人類史上最大の悲劇の原因は『ヒトラー(とその一味)が起こしただけではなく、ヨーロッパにおけるユダヤ人の歴史的な差別も見捨てることは出来ない』と言っています。
ホロコースト記念博物館もブーヘンヴァルドのような場所を残すだけではなく、(またそこを基点として)差別のもたらす悲劇の恐ろしさを忘れてはいけないですよね。

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