『ガラスの地球を救え』読了。
ふと書店で手に取った本。著者が手塚治虫。
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ガラスの地球を救え―二十一世紀の君たちへ (知恵の森文庫) 著者:手塚 治虫 |
要約すれば、『地球は危機的な状況に陥っている。人類の手によって汚染された地球を救えるのはやはり人類』という内容。
エコライフが叫ばれている今どきは珍しくもないが、もともと著者がライフワークとしていた『火の鳥』をはじめ、生命とはなにかという壮大なテーマを氏が手掛けてきたことは良く知られている。加えて凄いと感じるのは、このエッセイが『テレビ、雑誌などでの発言に昭和60年前後のシンポジウム等』の内容を収録し、1989年に初版が発刊されたこと。
つまり、今どきの付け焼き刃っぽいエコブームとは無縁で、手塚少年の幼少の思い出にも自然を愛でるために必要な経験をしていること、つまり昔から彼が感じている人生観自体を『地球を救え』というテーマで著しているのがすごい。
重いテーマとは裏腹に本書の内容は分かりやすい表現で、中には子供の残酷さ(しかしそこを通り抜けることにより命の大切さを学ぶ)、戦争を美化するような話に対して警鐘をならす等、氏が常に感じていたヒトの在り方を著している。
残念ながら手塚治虫はなくなってしまいましたが(もう20年以上前!)、今でも彼の意志は本書のように再版を重ねるほど強く明確なメッセージを発信しているのだと思います。
本書の最後のほうに『独断と偏見に満ちた未来予測』がありますが、恐らく前世紀、20数年前に書かれたのだと思いますが、彼の予測は非常に的を得ていると感じました。
そこから発展し、ゆくゆくは宇宙に飛び出した人類が、外から地球を見てかけがえのない星を汚している地上の人々に警告を発するだろうという手塚治虫らしい結論で本書を終わらせています。
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