「星月夜」感想~♪
元日の初日の出ポタの時に江戸桜さんからあるブツを分けていただきました。
音鳥’sの「星月夜」というCDです。
既に1ヶ月以上経過していますね~(^^ゞ
予定ではもっと早くレビューを掲載するつもりだったのですが、すっかり遅くなってしまいました。こんな103を許してちょ。
で。いっちょまえにレビューなどしてみようかと。
ま、プロの評論家のような感性も耳も持っていないので(^.^)b、万人が納得できるようなことは書けませんが。
なんでもそうですが、第一印象と、その後数を重ねて鑑賞したものでは作品に対する評価が変わることがありますよね。
元日以降数日間聞いて、その後しばらく聞かない時期があり、最近また聞きはじめました。ある意味、そうすることによってニュートラルな立場で評価したいなと思っています。
我が愛読雑誌『BURRN!』(ヘビメタ雑誌だよ:笑)では100点満点で作品の評価をしています。もちろん評価する人が違えば、点数も変わってくるのですが、素人がそんな風に点数付けられませんので、項目別に感じたことを。あ、ちなみに昔は同誌でのレビューはものすごくて、平気で6点!とかいう評価をしていました。歯に衣を着せぬ物言いが良かったのですが、最近は大分おとなしくなっているようです。
いずれにしてもボクは素人ですのであしからず(笑)
【楽器構成】
まずは琴。およそ弦楽器というものは、よほど大きくなければ(コントラバスのような)小脇に抱えて演奏するというイメージですが、琴はさにあらず。
大きなボディを床に置き、奏者はその上に覆い被さるようにして演奏します。
まずはその体勢がスペシャルですよね。格闘技じゃないんだから(笑)。それもうら若き女性が着物を着て覆いかぶさって演奏するのは、音色と裏腹に『マッチョ』に感じるのはボクだけでしょうか?
そして音色。ギターなんかでもクラシックギターとフォークギターの弦はそもそも違いますよね。前者はナイロン製の柔らかい音。後者はスチール製の弦だからエッジの立った金属的な音。
琴に使用してる弦は恐らくナイロン製のようですが、クラシックギターのような優しい音に強い芯がある感じ。スパゲッティならアルデンテというところでしょうか?(笑)
特に、ヘッドフォンで少し大きめのボリュームで聞いてみると分かります。特にこのCDは琴、十七絃、尺八だけ(一部ギターも)だけで演奏されているので余計そう感じるのかもしれません。
次に尺八。もっと音がかすれていて、「枯れたおじいちゃん」というイメージのある楽器ですが(苦笑)、そのかすれている部分が音に厚みを持たせています。それと、今風の音作りにしているせいからなのか、ビブラートも「与作の尺八」というよりもJ-POPとコラボしている木管楽器という感じがしました。
そして聞きなれない楽器ですが十七絃。ラーナーノーツにある写真だけでは琴との違いが全然分かりません(笑)。そこで、調べました。でも、難しい!「十七絃筝」とも言うそうです。琴は十三本の弦があるそうなのですが、(それ自体全然知りませんでした)主にそれよりも低音を担当する楽器だそうです。 (写真右のがそうですね)
ってことは、5弦ベースなんかと同じ考え方ですね。ダウンチューニングして思いっきりヘビーなリフをツーバスとユニゾンで刻み、その上にツインリードギターがソロを乗せ・・・って、これじゃぁヘビメタだぁ!(笑)
しかし、琴の歴史に比べると新しい楽器のようで、同じ役割(?)で八十絃という楽器もあるそうですが、これはタコやイカでも演奏するのは大変でしょう。ジェフ・バーリンならなんとかなるかな?(笑)
【曲構成】
このCDの曲構成はなかなか興味深いです。そもそも琴という日本の楽器でどんな表現をするのか。のっけからタイトルチューンである「星月夜」ですが、物悲しくも夜空を見上げているときに感じる「視界の揺らぎ」みたいなものを感じさせます。そして、11分以上の大作ですが5分半過ぎからのロック風なバックに乗る尺八が聞かせてくれます。
その後、短調な曲調や優しい調べに乗せたヴォーカルを楽しめたり。で、「百花繚乱」という曲はなんと3楽章に分かれています。おいおい、クラシックかよ!というツッコミもしたくなります。ところが、ちゃ~んと主題を保ちながら組曲に仕上げています。組曲と考えると、第3楽章はかなり遊び心が入っているようです。途中でパーカッション風に聞こえる音は琴を叩いているのでは・・・ないですよね~。なんだろ。
最後は再びボーカルをフューチャーした曲「もしも鳥になれたら」。バンド名「音鳥’S」といい、この曲名といい、103にぴったりのCDです。
【音質】
冒頭にも書きましたが、ヘッドフォンで聞いてください。琴の音の粒が良く聞き取れます。恐らく実際の音量で言えば琴と尺八では圧倒的に琴のほうが音圧が高いでしょう。それをうまく音のバランスを取ってレコーディングしています。
琴のピッキングの際のアタック音が耳に心地よいです。
以上、ながながと書きましたが、さすが琴の師範が演奏しているだけのことはあります。百花繚乱第3楽章でのパーカッションの導入など、「え~、お琴の先生がこんなことやっちゃっていいの?」と一瞬思ってしまいますが、チャレンジャジングなところ好きです。そしてそれが琴という古い楽器を古臭く感じさせなくしているところなど、ちゃんと考えているんだな~。
琴といえばお正月や春に聞く「サクラサクラ」しか知らないという人にも楽しめそうですね。
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コメント
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私も拝聴させていただきました♪
姫神を想わせる感じで、とても良い創りでした
渋滞中のイライラや焦っていたりする時はこのアルバムで心を落ち着かせています
次作は、いつでるのでしょうかね〜♪
おっと!その前にツアーですかね〜
o(^O^o)(o^O^)o ワクワク
投稿: nishiyan | 2010年2月 7日 (日) 06時15分
nishiyanさん、コメントありがとうございます。
確かに、ロックでクルマを疾駆させるのとは違い、渋滞中のイライラには効果大!かもしれませんね。
音鳥’Sは既にCD発売記念のライブを行なっていますが(昨年春?)、忙しいメンバーでしょうから頻繁には出来ないのでしょうね。
投稿: 103 | 2010年2月 7日 (日) 06時32分
はじめまして。江戸桜の妻のぽとです。
CDをお聴きいただいて、ありがとうございました。
丁寧なレビューをいただき、驚きと喜びです
まず、『マッチョ』というのが、琴弾き皆から「大正解!」との声が上がると思います。一般的なイメージにありそうな優雅な世界とは違い、パワーと体力勝負なところがかなりあります。お互いの筋肉を「お神輿かつぐ方ですか?」なんて言いあったりしています
そして音色の事ですが、私が密かに目指しているのが、アルデンテのような音色なのです。
だから、本当に!?と嬉しくなってしまいました。
ちなみに、百花繚乱の第3楽章の音は、琴の裏を叩いています。
幾つかの曲にパーカッションを加えたものを昨年富山で演奏しました。また違った感じになって面白いと思いますので、こちらもお聴きいただける機会がありましたらぜひ
嬉しくて沢山書いちゃいました。失礼いたしました。
投稿: 江戸桜(妻) | 2010年2月 7日 (日) 22時29分
ぽとさん、コメントありがとうございます!
コメント沢山、大歓迎です♪
>お神輿かつぐ方ですか?
どんな楽器でもある程度の基礎体力があるとテクニカルな演奏もしやすいですよね。でも、女性ばかりの琴奏者が控え室でポパイのように力瘤を見せ合っていたら・・・怖いです(笑)
なるほど、琴の裏を叩いているんですね。面白い!でも、ライブでも再現できるんでしょうか・・・(微笑)
>アルデンテ
CDではヘッドフォンで聞くと音の粒が分かりやすいのですが、やはり音楽はナマですよね。機会があったら生演奏を聞きたいと思います。
これからも活動がんばってください。
投稿: 103 | 2010年2月 8日 (月) 06時36分
103さん、こんばんは。
感想をいただき、誠にありがとうございます。
洋楽にしろ邦楽にしろ、音楽とは万国共通であるといっていいのか…通じるものがあるのですね( ̄▽ ̄)
私は音楽については全く無知でありまして、よくわからないのでありますが、このようにご評価いただいたことは素直に嬉しいと思います。
実はCDから流れてくる音楽の裏側で展開された人間ドラマが実は香ばしくて興味深いものがあるんですが、演劇畑の私にはそんな裏側を戯曲した方が面白いのではないかと思う次第です。
今度は演奏会にお出でください。是非、ご夫婦で。
>なるほど、琴の裏を叩いているんですね。面白い!でも、ライブでも再現できるんでしょうか・・・(微笑)
再現できまっせ。是非ライブへ!!
投稿: 江戸桜(本人) | 2010年2月 8日 (月) 22時45分
江戸桜さんまで、ご丁寧にコメントありがとうございます。
ほぉ~、旦那:演劇、奥方:音楽の芸術夫婦なのですね。表現の違いはあっても人間の内面を表現できるって、うらやましいです。
えっ!琴叩きプレイ、再現できるんでっか!!??
演奏会、是非遊びに行きたいです。
投稿: 103 | 2010年2月 9日 (火) 07時17分