『天使と悪魔』読了。
普段比較的読むのに時間がかかる本を読んでいます。イヤオレが遅読なのか、それとも縦横無尽に張り巡らしてある伏線を読み解く必要があるからなのかどうかは定かではない。
言わずとしれたキングの本ですね。
物凄い長編、例えばIT、THE STAND、グリーンマイル、不眠症などを読んだあとは疲れます。これが暗黒の塔シリーズになるとほとんど死んでます(笑)
そんな時に読む本は雑学系だったり、ライトノベルだったりします。普通の小説としてサクサク読めるのがクーンツですが、そのジャンル(?)に新たにこの人が加わりました。ダン・ブラウンです。ひところ話題になった映画『ダ・ヴィンチ・コード』の原作者です。
今回初めて彼の作品を読みました。『天使と悪魔』です。
天使と悪魔 (上) (角川文庫) 著者:ダン・ブラウン |
天使と悪魔 (中) (角川文庫) 著者:ダン・ブラウン |
天使と悪魔 (下) (角川文庫) 著者:ダン・ブラウン |
読み始めて、すぐにストーリーに引き込まれました。まず、導入部がすごい。いきなり最先端の科学研究に関する描写があったかと思うと、次のページにはコンクラーベの話し。ね?この対比面白いでしょう?さらにそこにイルミナティという秘密結社の影がちらつき、一大宗教SFサスペンス(なんじゃ?そりゃ)に仕上がっています。
あまり書くとネタバレになってしまうので、これ以上書きませんが、後半のどんでん返しは、これでもかというくらいサプライズなうえに納得してしまうものだ!
ま、もしかすると美術や象徴学の専門家からみれば詰めの甘いところはあるかも知れないが、サクっと読めて楽しめる良質のエンターテイメントに仕上がっています。
クーンツなみにスッキリ読めて、後味もいい。筆者のダン・ブラウンは2歳年上のお兄ちゃんだが、ここまで自分で書けたら面白いだろうな。ちなみにこの作品は映画化が決まっているらしい。また、主人公である「ロバート・ラングドン」シリーズで2匹目のどじょうを追い求めるべく第3作目を執筆中らしい。今から楽しみである。あ、その前に『ダ・ヴィンチ・コード』読もう。
ところで、この作品の主題は一目瞭然、「科学と宗教の対立」ですね。
自分は常々宗教というのは人間の作り出したもので、最も人の教育に有効な手段ではないかと思っています。いや、確かに数学や化学を習得する事は現在の科学時代に生きる我々にとって必要な事であるが、「知識」だけでは人間としての根幹や「道徳心」を育てる助けにはなりません。
いみじくも筆者が文中登場人物の言葉を借りて語っている。
『(科学による実験は)人間の頭脳が魂より早く進歩することを再確認しただけです』
『道徳は科学ほど速く進歩しない。人間は持てる力に見合った進歩を精神面でとげていない』
さらに信仰心が低下してきた現代人に対して、『ハイテク信仰、頭脳の奇跡。心の奇跡はどうなったのか』
自分自身は敬虔な仏教徒ではありません。というか、現代人の多くはそうでしょう。でも、盲目的に宗教にのめりこむ事が良いとは思わないが、他人を敬う気持ちやモノを大切にする心などは学校で教える事じゃないよな。そういう意味で宗教による教えというのは(どんな宗教であれ)物欲におぼれる現代人にとってこそ(自分含む:笑)改めて必要なモノではないかな?と思います。
なんだか、重い話題になってしまいましたが、要はそれだけ考えさせてくれる本書はある意味素晴らしいと。
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コメント
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この本、先日本屋で見ましたよ~
面白そうだなぁと思ったけど、他にも色々な本があって目移りしてしまい、結局又今度・・て買わなかったんですけど・・・
何か、最近本ばかり読んでてブログの管理もあまり出来てません。
ちょっと体調もよくないせいもあってか、走ってる以外はわりと家で静かにしてます。
103さんのブログはいつも活気に溢れてて日々、楽しんでますって感じで羨ましいです
そろそろお盆休みですか?
めいっぱい自転車生活、そして家族サービスにと頑張って下さいね~
投稿: パリジェンヌ | 2008年8月10日 (日) 10時06分
パリジェンヌさん、どうもです。
この暑さでは体調も崩しますよね~。会社に居ると1日冷房、家に帰ると自然送風、自転車に乗ると強制送風、というように時間帯によって環境が違うため、ちょっとくたびれてきたかもしれません。お盆はゆっくり休めるといいのですが・・・
とりあえず自転車には乗ってるでしょうね~
投稿: 103 | 2008年8月10日 (日) 22時19分