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2008年4月 3日 (木)

『生物と無生物のあいだ』読了。

講談社現代新書の『生物と無生物のあいだ』 著者は福岡伸一。

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891) Book 生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)

著者:福岡 伸一
販売元:講談社
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久しぶりにノンフィクションでメチャクチャ面白い本を見つけることができた。読み終えて、どうすればここまで推敲されつくした文章をまとめる事が出来るのかと考えあぐねていたら、ふと気づいた。なんとこの本、いわゆる「オビ」にある推薦文がすごい。カバーしてたからすっかり忘れてたよ。

【推薦文例】

よしもとばなな氏:スリルと絶望そして夢と希望と反逆の心にあふれたどきどきする読み物です!大推薦します。  ⇒  オイオイ、まるで西部劇の解説みたいだよ!

茂木健一郎氏:福岡伸一さんほど生物の事を熟知し、文章がうまい人は稀有である。サイエンスと詩的な感性の幸福な結びつきが、生命の奇跡を照らし出す。  ⇒  うん、これは納得だね。ちょっと誉めすぎのような気もするが、推薦文はこれくらい派手じゃないとね。

他にも幸田真音氏、高橋源一郎氏、最相葉月氏、内田樹氏、竹内薫氏、森達也氏などが強力な推薦文を寄せていたのでした。

この名作を文章力のない自分がレビューするなど愚の骨頂だが、自分なりに感じたことを書いてみたい。

【生命の定義】

本書はまず、プロローグにて『生命とは何か』というものすごい問題提起で幕を開ける。結論から言えばそんなものはまだ誰も定義する事が出来ていない。ぱっと思いつくのは、細胞から構成されているもの(単細胞生物やウィルスは?)、DNAを持つもの(これは今風の答えで、今のところ単純で正解に近いかな?)、呼吸するもの(植物の光合成は?)、体内でエネルギーを作る(?) 、自己複製するもの(だから~、ウィルスは?どうなんの?アイツを生物と呼ぶ?)等々...結局本書でその答えを見つけるためにいろんな説が展開される。

DNAの発見前から、生物学の分野というものは(他の研究分野でもそうだと思うが)、研究者というのは実に孤独で、辛い研究生活を送らなければならないのだということを本書で垣間見る事が出来る。

つまりひとつの現象を証明する際に、他の原因を完全に排除し、かつ何回も研究を繰り返し現象と理論の裏打ちを行う。学会発表にこぎつけたとしても、それを評価する側も同じく研究者である事の苦悩。

著者自身も同じ立場であるため、その説得力は力強い。その結果得られる結果に対して、どんな小さな結論だとしても真摯に受け止めるべきだと思わせられる。

DNAの発見以降研究方法や理論の組み立て方も変わってきたと思うが、生物を生物たらしめる基本的な考え方はもっと前からあり、普段我々が感じていることがまさにそれなのだが、種明かしになるのでここでは述べません。ただ一言「動的平衡」なのだと。

後半になるほど相補性、トポロジー、ES細胞...など、難しい言葉も出てくるが、筆者は自身の好きな昆虫採集にたとえて非常に分かりやすく説明してくれる。冒頭にも書いたが良く推敲されているというのはこの辺りからもうかがうことが出来る。

私は高校の頃に生物が好きだったが、それを差し引いても楽しく読める書である。久しぶりに良い本に出会った。もちろんキングの小説を除いて。

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コメント

103さん、こんばんは、サスケハナです。
103さんも読了さとのこと、私も今日通勤電車の中で読了です。自然科学者の文学表現に少し戸惑いますが、面白い本でした。ベストセラーで面白い本は久しぶりです。
「自己複製と全的代謝」、「自然淘汰と遺伝形質の方向性」、この辺が私には面白いところでした。

サスケハナさん、コメントありがとうございます。

そうですね、私も全的代謝/砂上の楼閣の話は好きです。

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