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2007年3月30日 (金)

ハイダウェイ

お気に入りの作家、キングの本を立て続けに読むとき、あるいは読んだ後、もっとサクサク、軽い気持ちで読めてそれなりに楽しめる本といえば自分にとって「ディーン・クーンツ」の本だ。今回特に、キングのライフワークである暗黒の塔シリーズを読了した後なので、脱力感の中読み始めたのがこの「ハイダウェイ」。

文藝春秋の文庫本のあとがきから…『雪の山道のドライブ、厳寒の川への転落、夫の溺死。そしてその夫は緊急蘇生プロジェクトの実験台に…。幼い一人息子を失って以来夫妻にとって死は身近なものだったが、死よりずっと恐ろしい暗闇の世界がそこに待っていようとは!日夜をわかたぬ悪夢との闘いの果てに、この世のものならぬ”悪”の隠れ家(ハイダウェイ)での対決が…』  これって、ほとんど全部のあらすじだね。でもクーンツの小説はある程度筋を知っていても楽しめる。

彼のどの作品でもある程度語られるのは、いわゆる「勧善懲悪」だと思う。基本的に善と悪の闘いで、悪が勝つということはないだろう。ある共通点を持っている2人の男が戦うところなどは、キングの「ダークハーフ」を彷彿とさせるが、しかしちょっと違う。

特に顕著なのはキリスト教の影響である。クーンツの場合善と悪の闘いはまるで聖書の中の天使と悪魔のようで、本書の中にはヴァサゴと○○○○とまで言及しちゃってるくらいである。キングのように純粋で原初的な善悪とはちょっと違うのである。

主人公が養子として迎えるレジーナが誘拐されたときに見つけた恐怖を克服するテクニックとして「自分の心の部屋に閉じこもる」という表現がある。これはまるでキングのドリームキャッチャーの中でジョーンジーがグレイから自分自身を守るために逃げ込んだ一室と似ている。そしてこの部屋もまた「ハイダウェイ」と呼ぶことが出来るのではないだろうか。

どうしても大好きなキングとの比較をしてしまうが、それも両者の小説がストーリーテリングに優れているため、非常に好きなことと関係がある。ただ、先にも書いたように明らかに違うのは、キングの場合決してハッピーエンドだけじゃないということ。

原初的な善・悪にもなにか不思議な(ある意味宗教的な)チカラが働くようだが、決してそれは絶対的な力ではなく、時には人間のちょっとした勇気や、子供の第6感(?)的なものにより後押しされて、チカラが強くなったりする。それがたまたま善か悪かによって結末が明るくも暗くもなるというのがキングの小説のひとつの特徴ではないか。だから妙に後味の悪い小説もハッキリ言って多い。

ただ、クーンツばかり読んでいると、だんだん空々しくなってくるのも事実で、やはり現実に近いのは常にハッピーエンドではない結末なのではないか。

ま、ハイダウェイに関しては少しだけ「死後の世界」が日本で言うところの「彼岸」に表現が似ていたりして、なかなか楽しめた。

最後にこの本は1995年ころ読んでおり、これで少なくとも3回は読んだかな?それだけ読みやすいってことだな。

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